[丸尾結子]対談[水尻自子]#03 「サウンドのこと」とか

丸尾:今回の”PULSE”は鼓動のことなんだけど、作品の一体一体の中にそれぞれの鼓動が鳴っているイメージで作ってて。
水尻:面白いね。だってこれ見てさ、聞いてさ、なんかすごい激しい音流れてたらさ、どんな動きするんだろうみたいなイメージが広がるもんね。
丸尾:そういうなんか、え!?みたいな、よりこの子と関われるみたいなになったらいいかなって、ちょっくらそういう実験的にやりたいなと思ってて。
水尻:その音は、作ってもらうんですか?
丸尾:今回は今どうしようかなって感じなんだけど、最近は自分でこういうのかなっていうのをちょっと作ってみたりしてる。
水尻さんの場合も音とか出てくると思うんだけど、そういう時どうしてるの?
3-02
水尻:私は最近の3作の短編は全部音作ってもらってて、私が全部映像作って、映像の尺とかをフィックスしたのを「はい、これにお願いします」って音楽家の人に丸投げ。ほぼリクエストなしで、それにご自由にお願いしますって言って。つけてもらってほぼ一発OK。だからすごいラッキー。でもこの人にお願いしたいっていう人は、理由があるっていうか、ちゃんとこの人だったら私がこれから作る自分でも説明のできないような作品に、それを自分なりに受け止めて、曲をつけてくれるだろうなっていう人を選んでやってる。で、自分でもこういう音楽がいいなってイメージもしてないから、つけて返ってきた時に自分でも全然違うものに見えるし、それはそれですごい面白いし、それで作品が完成だから音ってやっぱ大事だなって思う。
丸尾:短編とかでもGIFのアニメーションとかそういうのは無音だったりもするけど、それと音がついているのは自分でも別物になるんだ?
水尻:そうだね、別物かなぁ。でも音があった方がいいよね。より伝わると思う。無音だとどうだろう。あまりこだわりがないって言ったらないけど。その三作から前は自分でGaragebandで音をつなげて作ってたんだけど、他の人にもつけてもらうことで、なんか一歩超えられた感じはする。自分の中でしか収まらなかったことをやってたけど、誰か入れることで広がった感じはする。
丸尾:じゃあそれもひっくるめて作品みたいな感じなんだ。逆に、作品じゃなくて、お仕事とかで音に合わせて作るっていうのもある?
水尻:ある、この前のミュージックビデオもそうだったけど、でも音が先にあるのってやっぱあんまり合ってないかも知れない。自分のアニメーションのタイミングがあるからね。私作りながらもうちょっともうちょっとって2、3秒伸びたりするから、だから音が先にあるとそれに合わせちゃうから、自分のリズムが狂うというか…だから最初にこれで、っていって渡した方が。みんな器用だね音楽家の人。合わせて作ってくれるんだもん。すごいと思う。
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丸尾:自分のテンポがあるんだ。変わらない。なるほど、じゃああんまり音に合わせてっていうのはあんまりないんだね。音からインスパイアされてじゃないけど。
水尻:まぁ、ないね。
丸尾:こういう感覚を作りたいっていうのが音からあるっていうのもあんまりない?
水尻:作りたいとは思う、この音心地いいなとか。でもテンポよくとかリズム感がある感じとか多分無理だと思う。
丸尾:自分でアイディア考えたりする時もなんか聞きながらやるとかあるの?
水尻:もちろん。もうアップテンポの。
丸尾:え!(笑)
水尻:本当だよ。ゆっくりな曲聴かないよ作業中。ガンガン上がる曲みたいな。(笑)
丸尾:あ、じゃあ関係ないんだ。聞こえている音のテンポと。それで気分が良くなって、で、できるものは全く別のもの、自分のものになるんだね。
水尻:だって辛いじゃん、ずっと同じような絵を描いてたら。ずっと同じ絵を描いてるみたいな感覚だから。せめて音楽でちょっとスピード感を出さないと。
丸尾:え、じゃあさ。ワンカット、こういう動きでっていうのを作りたいなっていうのを考える時は?無音?
水尻:無音が一番いいかもしれない。まあ、音楽聴いてる時もあるけど。その時はゆっくりな曲もあるかもしれないけど。音からこういうのを作りたいっていうのはあんまりないかもしれないね。それよりはこう、こうやって皮膚を指でつまんだ時の感覚をふくらますとか、なんかそんな感じ。
丸尾:日常の感覚の破片。
水尻:だって、作品を人に見せるから、人と共有するものがないといけないから。それには誰もがわかる感覚とかを軸に、それを自分で調理してみたいなことをやりたいから、やっぱ最初はなんかどこにでもあるような感覚から始める。
丸尾:すごい、でも最初に人と共有したいっていうのがあるんだ
水尻:あるよ、一応。だって独りよがりな作品誰も見たくないもんね。そう、共有しないと。共有したいよ。意外?意外だった?
丸尾:そうなんだ〜
 
 
 
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